マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになります。
どんどん便利になっていくマイナンバーカード。
気になるのはセキュリティーですが、利便性がアップするのは歓迎です。
マイナンバーカードが健康保険証になる
これまでは、個人的には使い勝手が良いとは言えなかったマイナンバーカード。
「コンビニで住民票が発行できる」くらいしか、使い道がないように思いました。
それでも最近では有効活用する用途も見えてきて、特別定額給付金の申請に使われたりするようになりました。
そんなマイナンバーカードが健康保険証として使えるようになります。
医療機関で診察を受ける時や薬局で薬を処方してもらう時、マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになります。
これからは、どんどん便利になりそうなマイナンバーカードです。
気になるセキュリティーは?
マイナンバーカードを使うとなると、気になるのは個人番号である12桁の数字を見られないか。
これに関しては、あまり気にする必要はなさそうです。
健康保険証として使用する時に使うのは、マイナンバーカードにあるICチップ。
個人番号を使う訳ではありません。
今までは、月に一度は窓口に健康保険証を提出していました。
マイナンバーカードなら、専用のカードリーダーに自分でマイナンバーカードをかざすだけでOK。
窓口への提出は必要ありません。
ですので、個人番号を見られる心配もない訳です。
マイナンバーカードが健康保険証として使えると、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
マイナンバーカードが健康保険証になるメリット
健康保険証の交換が必要なし
マイナンバーカード自体が健康保険証になります。
そのため、引っ越したり転職したりで公的医療保険が変更になった場合、届け出に関しては従来通り必要になりますが、新しい健康保険証と交換する必要はなくなります。
マイナンバーカードをずっと健康保険証として使う事が出来るようになります。
病院ではカードリーダーにかざすだけ
病院で診療を受ける際に、これまでは月に一回は健康保険証を窓口で提出して、公的医療保険の資格確認を行っていたはずです。
マイナンバーカードを健康保険証にすると、医療施設にあるカードリーダーにかざすだけで資格確認がスムーズに行えます。
さらに診療を受ける患者本人の同意があれば、薬剤情報や特定検診の情報を医師が共有する事もできます。
高額療養費制度における限度額以上の一時的な支払いが免除に
高額療養費制度とは、一か月の医療費の自己負担額が一定額を超えると、超過した分が払い戻される制度です。
現状では超過した金額分も窓口で支払いをしておき、申請をした後に返金を受け取るのが一般的だと思います。
マイナンバーカードでは、この一時的な支払いをする必要が無くなります。
申請をしなくても本人の同意があれば、医療機関がマイナンバーカードで共有されるデータを使って、該当患者の自己負担上限額などの情報を確認できるからです。
返ってくるとはいえ、急な出費があるのは家計にもやさしくないです。
マイナンバーカードが健康保険証になると、こういった問題も解消されます。
確定申告の医療費控除の手続きが簡単に
マイナンバーカードを健康保険証として利用していくと、これまでの医療費や処方された薬などのデータが蓄積されていきます。
そのデータは、マイナポータル(注)を利用する事で閲覧する事ができます。
(データの閲覧は2021年10月より開始予定)
マイナポータルとe-Tax(国税電子申告・納税システム)との連携が始まると、確定申告の医療費控除が凄く簡単に便利になります。
確定申告の際にはマイナポータルにあるデータを、申告書に自動で入力する事ができるようになります。
データとして保管されますので、紙の領収書等の保管に関しても手間が少なくなります。
こちらの本格稼働は、2022年分からとなりそうです。
マイナンバーカードを使う事で、いろいろな情報がオンライン化されます。
このため、これまでは手間と労力が必要だった事も、オンラインで素早く正確に処理できるようになります。
そのため、医療関係施設側から見てもメリットはあります。
事務処理の負担が少なくなる事で、人為的なミスを減らすことが期待できます。
マイナンバーカードが健康保険証になるデメリット
健康保険証として使用する準備は自分で行う
この後に登録に必要な手順を記載しておきますが、健康保険証として利用する登録は自分で行います。
登録のために必要なスマホ等を持っていない方。
また、その手の作業に不慣れな方には、面倒に感じるかも知れません。
スタート時点(2021年3月)では健康保険証として使える施設が限られる。
健康保険証として使うためには、マイナンバーカードを読み込む専用のカードリーダーが必要になります。
現時点では、すべての医療機関がカードリーダーを導入している訳ではありません。
たとえば2つの病院で受診していたとしても、両方の病院にカードリーダーがないとデータの共有は出来ません。
さらにカードリーダーのない病院では、健康保険証を持参しなければなりません。
マイナンバーカードを健康保険証として利用する登録の手順
マイナンバーカードを持っていれば、自動的に健康保険証として使える訳ではありません。
健康保険証として使うためには、自分で利用登録をしなければなりません。
しかしなにより、まずはマイナンバーカードが必要になります。
マイナンバーカードの申請方法は、以下の記事にて紹介しています。
健康保険証としての利用登録に必要なのは以下の通り。
- マイナンバーカード
- マイナンバーカード作成時に設定した4桁のパスワード
- マイナンバーカード対応スマホまたはパソコンとICカードリーダー
- マイナポータルアプリ(マイナポータルよりダウンロード可)
登録手順に関しましては、マイナポータルの公式ホームページに分かりやすく記載されています。
まとめ
健康保険証として使えるようになるマイナンバーカード。
ですがこれだけでは、まだまだ利便性が良いカードとは言えません。
今後は「運転免許証」としても使える方向で検討されているようです。
様々な機能がひとつのカードに集約されれば、確かに利便性は増しますがセキュリティーの不安も出てきます。
利便性と安全性の両立。
個人情報を扱う、公共機関のカードでは当然の事でしょう。
マイナンバーカードも、更なる進化を期待したいと思います。
2021年4月2日追記
本格運用が10月頃に延期されました。
先行して運用していた一部の医療機関で、情報の確認ができない等のトラブルがあったようです。
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