投資商品の選択肢の中に国債があります。
個人での購入が可能なのが、個人向け国債です。
国が保証している安心感が最大の魅力の金融商品です。
資産運用に個人向け国債を選ぶメリットとデメリット
国債とは
国債とは国庫債券の略。
国が資金調達するために発行する債券です。
発行時に償還期限と利率が設定され、満期時に元本が償還されます。
個人向け国債とは、その名の通り個人でも購入できる国債になります。
国債の種類
国債は目的や利払いの違いなどで、いくつかの種類に分かれています。
発行目的によって、以下の4種類に分かれます。
- 歳入債(普通国債)
- 財政投融資特別会計国債(財投債)
- 繰延債
- 融通債
個人向け国債を検討の際に、上記の違いを詳しく知らなくても影響はありません。
違いを知りたいという方は、以下の日本銀行の公式ホームページにて確認できます。
利子の支払い方法によっては、以下の2種類に分類されます。
- 利府国債
半年に一回、利子が支払われる国債です。
固定利府型→利子額が決まっている。
変動利府型→利子額が変動する。
満期時に発行価格と同額が受け取れるため、利子分が利益になります。
- 割引国債
額面価格から満期までの利子分が引かれて発行されます。
そのため、利子の支払いはありません。
満期時に額面金額を受け取れますので、そこから発行金額を引いた分が利益となります。
個人向け国債と新窓販国債
個人で購入できる国債には、個人向け国債と新窓販国際があります。
個人向け国債とは
個人向け国債とは、個人にしか購入できない国債です。
満期まで保有する必要はなく、発行後一年経過すれば途中換金もできます。
満期設定は3年、5年、10年とあります。
3年と5年は固定金利、10年は変動金利です。
発行は年12回、つまり毎月発行されています。
新窓販国債とは
新窓販国債とは、郵便局のみで行われていた委託販売方式を民間金融機関に拡大したものです。
個人でも法人でも購入可能で、途中解約はできませんが売却はできます。
市場価格次第で元本割れもあります。
満期は2年、5年、10年とあり、すべて固定金利です。
こちらも発行は毎月あります。
個人向け国債のメリットとデメリット
ここからは、個人向け国債に関してのご紹介です。
個人向け国債のメリット
安心感がある
資産を投資する金融商品ですが、発行元が国になります。
他の金融商品に比べると、発行元の安心感が段違いです。
国の情勢に余程の異変が無い限り、国債の破綻リスクは少ないと言えます。
元本と最低金利は国が保証
元本は国が保証しています。
最低金利も年率0.05%を保証しています。
市場金利の変動があっても国が保証していますので、安心して長期的な運用を考えられる投資商品です。
何かあったら国の一大事という事です。
換金しやすい
個人向け国債は、満期が設定されて発行されます。
ご自身の資産運用計画に合わせて、期間を選ぶ事ができます。
支払いは満期日になりますが、途中での換金もできます。
発行後一年を経過していれば、中途換金でも1万円単位で換金が可能です。
ただし中途換金は、直前2回分の利子相当額×0.79685の中途換金調整額が引かれます。
換金はしやすいですが、受け取れる利子は少なくなります。
少額で始められる・見込み利益も分かりやすい
個人向け国債は、1万円から購入可能です。
個人間での譲渡や相続もできます。
金利は預金金利よりも高い設定です。
最低金利保証もありますので、満期時の見込み利益も分かりやすいです。
計画的な資産運用に適している投資商品です。
個人向け国債のデメリット
他の投資商品に比べると大きなリターンは望めない
個人向け国債はリスクが少ない代わりに、リターンも急に大きくなる事はありません。
株式や投資信託などは、市場価格の急騰時に大きな利益が得られる事もあります。
個人向け国債の固定金利型では、満期まで金利の変更はなし。
市場の変化に敏感に反応しない事が、メリットでもありデメリットでもあります。
急な損失にならない代わりに、急な利益増も見込みが少ないと言えます。
変動金利の金利見直しによる利益の減少
変動金利型の場合、金利の見直しによる見込み利益の減少もありえます。
最低保証の0.05%までは、金利が下がる可能性があります。
購入時の金利が0.05%以上であった場合は、見込んでいた利益が得られなくなります。
利子に税金がかかる
個人向け国債は利子に税金がかかります。
税金分(20.315%)が差し引かれた利子を受け取るため、確定申告等は必要ありません。
ただし、株式などの損失との損益通算する場合は、確定申告が必要になります。
国が破綻すれば価値はなくなる
いくら元本保証といわれても、国が破綻すれば国債の価値はなくなります。
もっとも、日本の国債が無価値になる時は、投資なんて考えられる情勢ではないと思います。
ですが海外の国では、情勢変動の激しい国も存在します。
外国債や外貨建て債券での運用は、破綻リスク・為替リスクもよく考慮しておきましょう。
個人向け国債を購入するには
個人向け国債は、各金融機関で取り扱っています。
お近くの取り扱い金融機関は、下記の財務省公式ホームページでご確認下さい。
まとめ
銀行に預けているよりは利子も見込めますし、国が発行している安心感を考えると、初めての投資に個人向け国債を選ぶのはアリだと思います。
まずは満期まで保有する事を前提に考えてみましょう。
中途換金は、あまり得策とは言えません。
資産運用のひとつに、個人向け国債も候補入りさせてみてはどうでしょう。
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